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決算書の見方について
  今回は、決算書の見方について説明いたします。
  毎年この時期には、各先生方の顧問税理士が3月15日期限の確定申告を行った後、前年分の決算書を先生方のお手元に
届けているかと思われます。
  この決算書につきましては、単に最終的な利益の額を見るだけでなく、その利益の額に影響を与える各項目について、その
  数値の妥当性を検証し、より健全な医院の経営に役立てることが大切になります。
  そこで、今回は、収益性分析の観点から、以下の各指標についてご説明をしたいと思います。
   
@ 粗利率
   粗利率は、別名、売上総利益率といいます。
   その算出方法は、粗利率(%)=売上総利益÷売上高×100 です。
   粗利率とは、売上総利益の売上に対する構成比を表す指標です。
   売上総利益とは、各診療所のすべての診療サービスによる売上から、医薬品仕入、検査委託費、医療用消耗品費などの売
  上原価を差引いた利益のことをいいます。売上原価は、売上に応じて増減する費用ですので、一般的に変動費と呼ばれてい
  ます。確定申告の青色決算書におきましては、売上金額(@)から売上原価(E)を引いた差引金額(F)が売上総利益になります。
   基本的に診療所の売上の大部分を占める保険診療は、点数による診療報酬が決められていますので、診療所における粗利
  益率は、売上原価の金額とその売上に占める比率の検討に有効であると思われます。この数値が昨年に比べて大きく低下し
  ている場合には、医薬品の過剰仕入や医療用消耗品の無駄遣いなどの可能性がありますので、チェックが必要となります。
   
A 利益率
   利益率の算出方法は、利益率(%)=利益÷売上高×100 です。
   利益率とは、利益の売り上げに対する構成比を表す指標です
   通常、利益とは、売上総利益から経費を差引いたものです。この経費は、上記の売上原価と異なり、収入に応じて増減すると
  は限らないものであり、一般的に固定費とも呼ばれています。確定申告の青色決算書におきましては差引金額(F)から経費の
  合計(32)を引いた差引金額(33)が利益となります。
   利益は本業による収益獲得力を示すことから、この指標を時系列、並びに他社比較を行うことを通じてその推移や現状を知
  ることができます。また、経費につきましても前年との金額の増減に加え、売上に対する割合をチェックし変動の大きいものに
  ついて検討を加えることが重要です。
   
B 損益分岐点
   人件費や地代などの固定費は、たとえ売上がゼロであったとしても発生します。このため利益を計上するためには一定の売
  上が必要となります。これを損益分岐点といいます。
   損益分岐点の算出方法は、損益分岐点=固定費/(@−変動費/売上高)です。
   損益分岐点とは、損失も利益も出ない売上高、すなわち利益がゼロとなる売上高と考えることができます。損益分岐点の売
  上高よりも売上高が上がれば利益が発生し、逆に下がれば損失が生じます。損益分岐点は低ければ低いほど利益が多くな
  り、医院の経営は安定します。
   この結果、医院の利益を大きくするためには、
  @ 売上の増加
  A 粗利率の上昇(=変動費の減少)
  B 固定費の減少
   のいずれかが必要になってきます。
   たとえば、収入が増加しても、薬品等の使用や検査の委託が大きすぎると粗利率が低下し損益分岐点が上がりますし、人員
  を増やしすぎて固定費が粗利益の伸び以上に増加すれば利益が減少します。また逆に、収入は同じであっても薬品や用品の
  使用を見直すことにより粗利率が向上したり、無駄な経費の見直しや効率的なシフトの組み方により人件費が節約できれば固
  定費が圧縮され利益が増加することとなります。
   
   上記の各指標について、お手元の青色決算書をもとに算出していただき、@自院の過去数年間の数値と比較する、A平均
  的な同業他社の数値と比較する、などの方法で、ご自身の医院の数値の妥当性を検討することが可能となります。
   なお、同業の平均的な数値につきましては、医科の場合、診療科目、院内院外の別、売上の規模等により変動いたしますの
  でご注意ください。
 
 
 
 
     
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